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きっと、大丈夫。 [入隊準備]

最後の勤務は花金です。
お盆も終ってきっと忙しいだろうなぁ~とか思って、わくわくしながら出勤。
最終日は暴れて笑顔を振りまいて、有終の美を飾らせていただくぜ!!と意気込んでいたのですが。
まずは店で3年間ずっと一緒に働いてきた同い年のKさんが、

「ほい、これ従業員一同」

と餞別を差し出してくれたのでした。
ぬお!?不意打ちだ!?不意打ちは卑怯だろう!?
しかも仕事前に涙腺ゆるゆるになっちゃうのはマズいだろう!?
そこはなんとか堪えて、最後の厨房着に着替えてタイムカードを押しました。

…ヤバい…餞別なんて物は想定の範囲外だった…

そして程なくすると、店長(実の親父、但し離婚済)からお呼び出しが。
掃除する手を止めて事務所に行くと、かねてからおねだりしておいた万年筆をいただきました。
(父親に物をねだった事はあまり無いのですが、入隊前にどうしても父から万年筆をもらいたかった)
その間、少々雑談。
勤務し始めの頃とかの思い出話やこれからの生活の話などをしていると、またもや涙腺がうりゅっと。

…はっ!いかんいかん!堪えろ、私!

あんまり店を空けておくのもいけないので、10分ほどの雑談の後、店へ戻る。
が。
客が来ない。
一組来て食事だけ食べて1時間で帰っていく。
19:30にノーゲス(ノーゲストの略。お客さんが一人もいない状況のこと)ってありえないよ!?
だって今日は金曜日!花金!なんで金曜日の19:30にノーゲスな訳!?
普段の金曜日といったら19:00には既に満席で、従業員があくせく働いている時間である。
ところがどっこい、今日は勝手が違うようで、結局早上がりするまでに8組しかお客さんが来ませんでした…。

最後の…最後の日が早上がり…しかも金曜日の早上がり…

これは飲食業の人間にとっては屈辱的な勤務最終日です。
その代わり、とあるお笑い芸人が来ていたり、ずっと一緒に働いてきたKさんと他愛もないおしゃべりができたり、
多分、この日は一生忘れる事はないでしょう。

ちなみにKさんからの餞別は小さな絵本。
私達は従業員同士で、しかもお互いに特に詮索しあう事もなく、プライベートでの付き合いも無い二人でしたが、
変わり者同士、よく話が合いました。
口が悪くて、仕事が的確で、買い物が大好きで、デザイナーもやってるのに、バイトもしちゃってて、
本当に全く普通の人とは違う生活を送ってる彼女の話はとても面白かった。
そんなKさんがくれた絵本の最後の頁には手書きでこう書かれていました。

「一緒に働けて私は楽しかったよ。椎奈ちゃんならきっと大丈夫」

と。
迂闊にも帰りの電車の中で読んでしまって、とうとう涙腺は決壊してしまいました。
ああ、畜生。最後にこれは反則だ。

父の店で働いていると、何故、母が父と離婚したのかがよぉ~く見えてきて、
サロンエプロンのこと)を投げつけて、こんな店辞めてやる!!と何度も言いたくなったりしましたが、
結果としてはあの店で働けてよかったと思います。

こうして3年間働いてきた店と、人生の4分の一を費やした接客業にお別れをしてきました。
絵本の題名は「ここから~がんばるあなたに~」
そう、私の新しい道もここからまた始まるんだ。


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ponpei

素晴らしい文才だと思う。
by ponpei (2007-08-18 12:20) 

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